東京の離島で ふくらむ チーズ&乳製品の夢

白糠酪恵舎

東京の離島で ふくらむ チーズ&乳製品の夢

File.12

東京都八丈島エンケルとハレ

八丈島は、
知るほどに宝の島です

東京の南に浮かぶ八丈島は、第二次大戦前まで牛が2000頭を超える酪農天国でした。その後、酪農業が厳しい時代を経て、いま、再びこの島の乳文化が活気づいています。
「この島ならきっと美味しいものがつくれる」と確信して2013年に移住してきた魚谷孝之さんは、島で育つ植物を牛に与え、島らしい味の牛乳づくりから始めます。その牛乳を元にヨーグルト、バター、プリン、ジェラート、そしてモッツァレラやリコッタといったチーズ文化もいまでは島の自慢になってきました。
その陰には「酪農は観光産業にもなる」と力を貸してくれた事業家や、コラボ商品の開発に理解を示してくれた地元の農家、老舗の蔵元、飲食店など多くの人々の応援がありました。島内には乳製品主体のカフェや、島の特産物のアシタバや八丈フルーツレモンを活かしたジェラート専門店もできています。
もともとジャージー牛で島の酪農文化をつなごうとしていた農場経営者と二人三脚で島の未来を見据える魚谷さん。夢は牛には自然放牧の環境を整え、一方で酪農、チーズ、畜産加工品など島の産業とその担い手を増やすこと。冬にはクジラも遊びに来る八丈島は、宝と夢のエネルギーにあふれています。

  • エンケルとハレ1
    ジャージー牛には傾斜地をしっかり登れる足腰と、呼べば反応する賢さがあります。どちらも放牧にぴったり。
  • エンケルとハレ2
    できあがったチーズは島内だけでなく、本土にも毎日送り出し、高い評判を得ています。モッツァレラは八丈の 言葉で「めならべ」(若い娘の意)と命名。
  • エンケルとハレ3
    八丈島にある「ピッツァ パラディッソ」のピザ。エンケルとハレのモッツアレラを使用しており、島の人にイタリアの美味しいものを食べてもらいたくてお店を構えた店主は「魚谷君のモッツァレラ、風味もコクも言うことなしですよ」といいます。
魚谷孝之さん
魚谷孝之さん。1982年神奈川県生まれ。2020年2月、八丈島乳業から独立して新会社を設立。「無理も無駄もしない、けれどチーズと共に楽しみや喜びのある生活」が地域の文化になってくれたらと願いつつ、チーズ以外にも畜産や教育関連などたくさんの事業計画を抱えています。
わたしのおすすめ!

地元で食べよう!

地元で食べよう!
「八丈島郷土料理 梁山泊」では「八丈牛乳のモッツァレラとトマト」の他にグラタンやヨーグルト酒も。店主の山田一行さんは、「島で牛乳やバターは身近でしたが、チーズという文化を持ち込んだのは魚谷さんです。チーズの評判はすごくいいですよ」と話す。
エンケルとハレ

エンケルとハレ

東京都八丈島八丈町大賀郷1536番地

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