チーズの基礎知識 vol.7

日本のチーズづくりの、
いま

日本のナチュラルチーズ工房数

全国各地でナチュラルチーズ工房の数は増えています。そのほとんどが、誰かが敷いたレールの上を歩くのではなく、自らの意思で道を開拓する時代になりました。

全国で活気づく
チーズづくり

酪農業の盛んな地域に多いイメージのチーズ工房ですが、今や全国に点在し、それぞれの地域に根差したチーズづくりをしています。

チーズ工房日本地図

■2020年8月 NPO法人チーズプロフェッショナル協会調べ
※大手乳業者(雪印メグミルク、明治、森永乳業の3社)を除く、独自調査で集計。※この都道府県別集計値はNPO法人チーズプロフェッショナル協会独自の調査をもとにしているため、下記、農林水産省集計とは必ずしも一致していません。

チーズ工房数は
増えています

統計でも、全国のチーズ工房数が増加していることが明らかになっています。その数は、2010年から2倍以上に増えています。

チーズ工房数

■2012年以前は中央酪農会議調べ/2013年以降は農林水産省牛乳乳製品課調べ
※大手乳業者(雪印メグミルク、明治、森永乳業の3社)を除く、チーズ製造施設単位で集計 

チーズのタイプ別工房数

日本では新鮮なミルクの風味を生かしたフレッシュなチーズが人気です。一方で、コクやうまみを好む日本人らしく、熟成タイプも好まれています。青カビ、ウォッシュ、シェーヴルなどは今後の成長株です。

  • フレッシュタイプ

    253か所

    ミルクを乳酸菌や酵素で固め、軽く水分をきっただけで、「熟成」させないタイプ。くせがなく、ほのかな酸味やさわやかな風味が人気です。

  • セミハード・ハードタイプ

    185か所

    水分を抜いて、数か月から長い場合は1年以上もゆっくり熟成させるタイプです。コクやうまみがあるのでそのまま、または溶かしたりおろしたりして料理にも大活躍。

  • 白カビタイプ

    80か所

    表面を白カビがおおい、そのカビが出す酵素で熟成が進みます。熟成が進むと、中はとろりとするほどクリーミーになります。

  • ウォッシュタイプ

    28か所

    表面をお酒や塩水で洗いながら熟成させていくチーズです。独特の香りがありますが、味わいはまろやかで、コクがあります。

  • 青カビタイプ

    22か所

    ブルーチーズとも呼ばれ、青カビがチーズの中から広がって熟成を進めていきます。塩分がやや強めで、風味も独特です。

  • シェーヴルタイプ

    11か所

    山羊のミルクでつくられるチーズです。フレッシュなものは酸味とクリーミーさが魅力ですが、熟成が進むとコクや甘さが増してきます。

■2018(平成30)年度農林水産省牛乳乳製品課調べ