日本のチーズが
おいしい理由
-
理由 /1
造り手が
本気で挑む
技術力動物は出産すると毎日ミルクを出します。最初は赤ちゃんのために、しばらくすると、人間がおすそ分けをもらいます。
その新鮮なミルクを一滴も無駄にしたくない。チーズの造り手は、みんな、そう思っています。
一方で、チーズづくりは微生物にも協力してもらわなければなりません。できればその土地の微生物たちと、その地域でとれたミルクをその土地ならではのおいしいチーズに仕上げたい。どうしてうまくいかないんだ。
あ、これはすごいぞ、うまくいった。四季のはっきりしている日本で、毎日変わる気温や湿度の中、造り手たちは毎日の経験を本気で蓄積して、明日はもっとおいしいチーズをと目指しています。そんな造り手が年々増え、国内外のコンクールで素晴らしい成果を上げ、評判になっています。
ものづくりニッポンの技術力はいま、チーズの世界でも証明されるようになっているのです。 -
理由 /2
原料のミルクが
良質な国産牛乳を今日のようにみんなが飲むようになったのは戦後、学校給食に取り入れられるようになってから。そして21世紀を迎えるころにはヨーグルト、チーズといった「食べる牛乳」も増えてきました。
たくさんの牛と草を育てられる広い土地があるところ、きれいな美味しい水に恵まれているところ、狭くて急な斜面だけど足腰の強い健康な牛が育つところなど、いま日本各地で搾られる牛乳は、どれも高品質です。そうであれば、その近くでチーズをつくりたいという工房が増えても不思議はありません。
チーズ文化が豊かになってきた最近では、日本でも原料乳は牛だけでなく、山羊や羊、ときには水牛からも手に入れて、独特のチーズのおいしさを追求する工房も現れています。 -
理由 /3
日本各地の
多彩な気候風土南北に細長い土地に山脈が連なる島国、日本。険しい山もあれば穏やかな入り江もある。そんな地形ごとに気候風土は異なり、それゆえに作物や微生物も多彩で、土地ごとの美味づくりが育まれてきました。
そんな美味づくりの伝統を追うように、チーズも地域ごとの味づくりの模索が始まっています。
「私のふるさとのチーズはね・・・」
そんな話ができる日も近いかもしれません。