日本は 日本の モッツァレラづくり

日本は 日本の モッツァレラづくり
File.10
宮崎県小林市ダイワファーム
おいしさは本場で学び
つくり方は地元で考える
「鮮度が大事なものこそ、ぜひ日本でつくろう」と、いま日本でモッツァレラをつくる工房はたくさんあります。宮崎県の内陸部、霧島連山の山麓に位置する小林市。ダイワファームの大窪和利さんはイタリア系チーズに情熱を燃やし、コンテストでもモッツァレラで入賞を果たしている一人です。
大窪さんは数年前に1週間、モッツァレラの故郷イタリアのナポリで3つの工房を訪ねます。自分の口と頭で覚えてきたジューシーさを再現しようとするものの、うまくいきません。イタリアと日本と、ミルクも気候も違うのに同じ製法は通用しないと思い知らされます。だからこそ、日本は日本のモッツァレラづくり。そう腹をくくって試行錯誤の末に今日の域まで到達しました。
ダイワファームはもともと父親から牛乳生産の酪農を継ぎました。ところが牛乳の生産調整で痛みを負います。経営を牛乳生産から乳製品加工に舵を切り、一時は160頭いた牛を減らして、1996年からアイスクリーム、2006年からチーズ製造を始めました。
「でも、また増やさないとチーズ生産が追いつかない」。嬉しい波を受けて増産体制の計画を進めていました。
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成⽜は7頭のブラウンスイスを含めて23頭。「⼀時は160頭まで増やしたものの、今は乳製品加⼯に合わせた数に減らしました。でもまた増やします」。 -
⽜舎の裏⼭に1993年に設置した⽜の飲⽤貯⽔設備。この⼀帯はナチュラルミネラルウォーターが⾃慢の⼟地柄です。「まず、おいしい⽜乳がないと始まらないとのアドバイスを受けて」。 -
ダイワファームのラインナップ。奥からロビダイワ、プロボローネ、カチョカバロ、スカモルツァ、リコッタ。

おいしいチーズの食べ方

