地元が支え、育てた まろやかな 白カビチーズ

地元が支え、育てた まろやかな 白カビチーズ
File.03
北海道中札内村十勝野フロマージュ
世代を超えて渡される
チーズづくりのバトン
北海道十勝地方はチーズ生産者が30軒以上あるナチュラルチーズのメッカです。2000年、大手乳業メーカーでチーズづくりをしていた赤部(せきべ)紀夫さんは、そんな十勝平野の一画に、白カビチーズをメインにした工房を三男の貴紀さんと構えました。場所の決め手はこの土地の水のおいしさ。これなら牛もきっとおいしい牛乳を出すはずだ、と思ったのです。
1990年代、フランス人指導者に「日本に白カビチーズはまだ早い。やめておけ」と言われたものの、その難しい白カビチーズこそが好きなんだと、あえて挑戦。独自の製法で、日本人の口に合うまろやかな白カビチーズを完成させました。まず買いに来てくれたのが地元の人々。そして繰り返し地元の産物として販路を紹介してくれ、今日までの道ができました。
創業から20年の時を経て、工場長の貴紀さんはラクレットに続いて青カビチーズも開発し、十勝野フロマージュの幅を広げています。2012年に社長職を継いだ長男順哉さんも、「十勝の象徴である乳製品を広めることは地域貢献にもつながる」とやりがいを語ります。
チーズづくりのバトンが、世代を超えて渡される。十勝の大地に大木が根を張っていくようです。
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⽔は、チーズに加えることはありませんが、衛⽣管理のためには必須。⾚部さんは⼿や器具の洗浄のすべてを2000年から電解⽔にして北海道HACCPを取っています。 -
熟成庫に並ぶ⽩カビチーズたち。「同じ⽩カビでもチーズの⼤きさが違うとカビの成⻑も、味わいも違う」と⾚部さん。 -
左奥がブリ・ド・トカチ、右がラクレット。左⼿前から右へバーボンウォッシュ、おいしいカマンベール、ベルネージュ、⽥楽みそ漬けカマンベール、右⼿前がクリームチーズ。カットされているのは、ブリ・ド・トカチの120gポーション。

おいしいチーズの食べ方

