日本のチーズは チーズ伝統国に 負けていない

共働学舎新得農場

日本のチーズは チーズ伝統国に 負けていない

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北海道新得町共働学舎新得農場

熟成チーズで
スローに生きる

共働学舎新得農場は、心身に不具合を抱え、社会的に弱い立場に立たされた人々が自労自活を目指してくらしている場所です。1978年のスタートから、予想以上に集う人が増えていく現実に、代表の宮嶋望さんは牛乳出荷をやめてチーズ生産に舵を切ります。それも、流行に翻弄されないものをと、熟成型のハード系を中心に。
「ゆっくり発酵するチーズは、スローペースのうちの農場にぴったりでした」。
宮嶋さんが日本のチーズに自信をもったのは2008年の洞爺湖サミットでした。北海道産のチーズを集めて提供すると、諸外国の要人たちに予想の3倍量も食べられたのです。この現実に、ここに集っていた日本の一流シェフたちも驚きます。「日本のチーズはすごいぞ」。
実は、今でこそ大人気の断面を熱で溶かしてナイフで削り取るラクレットは1992年にはすでに共働学舎でつくられていました。ただ、当時はフランス流を目指したがために、その匂いが日本人には受け入れられない。半年かけて匂いを減らし、その後磨きをかけて1998年にはそのラクレットで日本一の栄誉を手にしました。
これからは日本の水、土壌、微生物で、日本人にさらりと受け入れられるチーズをつくらないといけない。宮嶋さんは、また一歩先の課題に向かっています。

  • 共働学舎新得農場1
    新得は、北に大雪連峰、西に日高山脈という山々に囲まれ、南東には十勝平野が広がっています。牛たちは搾乳時間には牛舎に集められますが、1日の大半は放牧場で十勝の草を食んでいます。
  • 共働学舎新得農場2
    地下熟成庫。きめの細かい天然石『札幌軟石』を使っているため高い湿度でもほとんど結露しないそう。3か月熟成のラクレットのほかに、12~18か月ほど熟成させるシントコもここで眠ります。
  • 共働学舎新得農場3
    奥からシントコ、ラクレット、プチ・プレジール(酵母熟成)、コバン(楕円形の白カビタイプ)、フロマージュ・フレ。
農事組合法人共働学舎新得農場代表 宮嶋望さん
農事組合法人共働学舎新得農場代表 宮嶋望さん。1951年生まれ。米国ウィスコンシン大学畜産学部卒業後、父親が長野で起こした「NPO 法人共働学舎」の北海道部門として新得に入植。家族とメンバー合わせて70人以上の共同所帯を率いる。国際受賞も多く、国産チーズを牽引する一人。
おいしいチーズの食べ方

おいしいチーズの食べ方

おいしいチーズの食べ方
「共働学舎ではお餅と一緒に食べるのが人気です。軽く焼いたお餅の間にラクレットを挟み、もう一度、ラクレットが溶けすぎない程度まで焼く。それを海苔で巻いて上にイクラなどの魚卵をのせると、色合いも最高。少し醤油を絡ませてもいいね。このほかにラーメンに入れるのもいい。ぜひ、一度やってみてほしいなあ」
共働学舎新得農場

共働学舎新得農場

北海道上川郡新得町字新得9-1
Tel. 0156-69-5600

https://www.kyodogakusha.org/