チーズが
できるまで
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動物たちから、
ミルクを搾ります。日本のほとんどのチーズは牛のミルクからつくられていて、その成分の違いから、牛の種類にこだわっているチーズ工房もあります。近年では山羊、ごくわずかですが羊、水牛のミルクのチーズも登場しています。
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ミルクを工房まで
「やさしく」運びます。搾ったミルクは低温にし、厳重な検査をして工房まで運び込みます。おいしいチーズをつくるためには「運ぶ」衝撃は最低限になるよう慎重に行われます。
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ミルクを
加熱殺菌します。市販されている多くの飲用牛乳とは異なり、ミルクはタンパク質の性質を変えないように63℃30分、または75℃15秒という「低温殺菌法」で殺菌します。
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乳酸菌(スターター)を入れて、
チーズになる準備をします。もともとミルクの中にいたチーズづくりに協力してくれる乳酸菌は、加熱殺菌することで他の雑菌とともにいなくなってしまいます。そのため改めて純粋培養した乳酸菌を加えます。
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凝乳酵素(レンネット)を入れて
ミルクを固めます。凝乳酵素とは、牛や山羊といった反芻動物の、まだ草を食べていない乳飲み子の第4胃から抽出した酵素のことで、これを入れてしばらく待つとミルクのタンパク質が凝固し、ぷるぷるの絹豆腐のように固まります。また凝乳酵素には、微生物からつくるものもあります。
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カード(固まったミルク)をカットして、
水分を抜きます。固まったミルクのことを、凝乳(カード)と呼びます。これをカットすると水分がにじみ出てきます。この水分が乳清(ホエイ)です。柔らかく仕上げるチーズはホエイをあまり抜かず、硬く仕上げるものはカードを小さく切ってホエイをより多く分離します。
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型に詰めます。
水分(ホエイ)をきったカードをチーズの型に移し入れます。型の中でカード同士がくっついていくように外から圧力をかけるものもあれば、自然の重みだけでくっつけるものもあります。反転を繰り返すことで水分はさらに抜け、形が整います。フレッシュなものは熟成しないので、ここでできあがりです。
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塩、微生物を加えます。
塩は、塩味をつけたり雑菌の繁殖を防いだり、チーズの熟成を助けたりするなど大切な役割があります。 白カビや、ウォッシュタイプのリネンス菌といった微生物は、このあと周囲から付けていきます。
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熟成させます。
熟成庫に置くと、チーズに存在する微生物や酵素の働きで、タンパク質や脂肪がそれまでにない風味や感触に変わっていきます。これが「熟成」です。白カビ、青カビ、ハード系などタイプによって様々な熟成があり、期間も3週間から12か月以上とそれぞれです。
イラスト:三好貴子
ナチュラルチーズ完成!MEMO一度できたナチュラルチーズを溶かし、乳化剤を入れていろいろな形に成形したものが「プロセスチーズ」です。